ご挨拶

メインテーマ「切れ目のない発達障害児者支援を目指して」

大会実行委員長 遠藤 浩
(独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長)

日本発達障害学会第52回研究大会は、8月11日・12日の2日間にわたり、群馬県で開催させていただきます。会場は、JR新前橋駅から徒歩5分に所在する群馬県社会福祉総合センターを貸し切りで使用します。

メインテーマは、「切れ目のない発達障害児者支援を目指して~就学前から成人の医療・教育・福祉・労働の連携、そして高齢期の支援」としました。

発達障害のある人たちの支援に関する制度については、平成17年度から発達障害者支援法が施行された後、障害概念の中に「発達障害」が明確に位置づけられるなど関係法令の改正が行われ、大きく前進しつつあります。

昨年は、発達障害者支援法の一部改正が行われ、目的規定に「切れ目なく発達障害者の支援を行うこと」が明記されるとともに、理念規定が新たに設けられ、発達障害者の支援は、「医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体相互の緊密な連携の下に・・・切れ目なく行われなければならない」ことも明記されました。

また、教育、就労、地域における生活などに関する支援、そして、家族に対する支援を強化するための改正も行われました。

さらに、地域の実情に応じた支援体制の整備について協議を行う「発達障害者支援地域協議会」を都道府県が設置する規定も設けられました。

発達障害のある人たちの支援に関して制度改正が繰り返し行われ、関連施策も次第に普及しつつある中、大きな課題となるのは、医療、福祉、教育、就労などの関連分野の制度横断的な連携協力、また、ライフステージの各段階で必要な支援を切れ目なく受けられるような支援体制作りといえます。このような意味を込めて、上記のメインテーマを設定しました。

プログラムの内容は、これまでの研究大会と同様に、講演、シンポジウム、ポスター発表など盛り沢山ですが、特にシンポジウムについては、各分野の専門家にご協力いただき、学会員が日頃抱いている問題意識に応えるようなテーマを工夫したつもりです。

学会企画シンポジウムのテーマは「発達障害者支援をめぐる教育と医療、福祉、労働との連携」、実行委員会企画シンポジウムは、次の3テーマです。

①「医療の現場から見た発達障害児者の教育と福祉」
②「次のライフステージにどのようにバトンタッチすべきか」
③「発達障害者の親亡き後を支える課題について」

これらのうち、①については、発達障害の診療に携わる専門医4名に参加いただき、教育、福祉の関係者への助言、要請、期待などを率直に語っていただくという、これまでにない企画です。大変興味深いシンポジウムになるはずです。

講演、シンポジウム、ポスター発表などに、のぞみの園職員も多数参加させていただきます。のぞみの園は、名称、目的に「重度知的障害者」が含まれていますが、障害のある人たちのニーズにできる限り幅広く対応することをモットーとして、発達障害児・者の支援にも専門スタッフをそろえて重点的に取り組んでいます。研究大会を契機として多くの皆様にこのことをご理解いただければ幸いです。 なお、大会前日の8月10日に、のぞみの園施設見学を予定しています。多数の皆様の参加を期待します。

大会会場からは、群馬県人自慢の上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)の風景を楽しむことができ、晴天時には遠く谷川連峰を望むことができます。暑い盛りの時期ですが、夏山から届く緑の香りに満ちた風に一息ついていただけたらと思います。

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